年下男子は恋愛対象になりますか?
電車とバスを乗り継いで、ライブ会場となる大学に到着した。

車内でも美樹に隼人君とのことをからかわれたけど、他にも人がいるからスルー。ホテルに戻ったら何か言われるんだろうな。

「あ、美樹と由夏発見!久しぶりー」

着いたとグループメッセージを送ったあとに声をかけてきたのは、東京に住んでいる晴香。歳は31で私達より6つ上。

黒髪ショートが似合ってるし、同性の私から見てもカッコいい存在。普段はバリバリ仕事してるのに、彼氏が年下のバーテンダーだっていうから凄い。

「久しぶりー。やっぱり晴香もそのTシャツ着てきたか!みんな考えることは同じだね」

「久しぶりだね。晴香に会えて嬉しい」

美樹が晴香に抱きついて、そのあと私も同じように抱きつく。

「私も会えて嬉しいよ。あ、由夏!彼氏の写真見せて!ずっと見たかったんだ」

「由夏の彼氏の名前は隼人君って言いまーす。イケメン大学生でーす。駅でもイチャイチャしていましたー」

「ちょ、美樹!やめてよ!」

「そっか。美樹は会ったことあるんだっけ。私の時も散々見せてって騒いだんだから見せてよね」

この展開は想定外だった。
美樹だけじゃなく晴香もノリノリだし。

他の仲間が合流する前に見せちゃった方がいいかも。でも……

「ほ、本人に確認するからちょっと待ってて!ダメって言われたら見せないからね!?」

「えー、そうなの?」

「晴香大丈夫!隼人君なら良いって返事するに決まってるから」

ニヤニヤ笑う美樹を横目に隼人君にメッセージを送った。バイトの時間じゃないからかすぐに返信が届く。それにしても相変わらず早い。

うん。私も断らないと思ってたけど。

一緒に撮ったものは恥ずかしいから、見せたのは隼人君が1人で写ってるもの。

「皆で何見てんの?俺達にも見せて」
< 569 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop