年下男子は恋愛対象になりますか?
【36】誕生日おめでとう
今日は10月30日金曜日。
仕事を定時で終わらせ、ドラッグストアとスーパーに寄ってから隼人君のアパートに向かった。

買ってきたものを冷蔵庫に入れ、持ってきていたプレゼントは私の荷物がまとめて入れてある専用ボックスに隠す。入浴剤は鞄の中。

隼人君喜んでくれるかな。
色々と緊張してきた……

鍵を開ける音が聞こえたから玄関まで移動する。

「おかえり」

「ただいま帰りました」

笑顔で迎えると微笑んでくれた。
キスされそうになったので、慌てて隼人君の口を手で塞ぐ。手首を掴まれてすぐ離されたけど。

「嫌、でしたか?」

「ち、違うの!今日は私からしたいなって思ったから、その、勘違いさせちゃったならごめん」

さりげなくする予定だったのに失敗した。
隼人君みたいにうまくいかないし、口で説明しちゃったし恥ずかしすぎる。

「そういうことならいつでもどうぞ」

嬉しそうに目を閉じた隼人君。
そうやって構えられると逆にしづらいよ。

触れるだけのキスをしたら、おもいっきり抱きしめられた。

「ねぇ、お風呂に泡の入浴剤いれてもいい?」

「もちろんです。由夏さんの好きなように入って下さい」

あれ?今日は一緒に入ろうって言ってこないんだ。何でだろ。今日こそ言ってほしかったのに。

「ありがと。それでね」

ダメだ。ドキドキする。
前から決めてたんだから言わなきゃ。言うんだ……!

「きょ、今日は一緒に入ろ?」

抱きしめられていた腕が離れて向かい合う形になった。恥ずかしくて目をそらす。

「今一緒に入ろうって言いました?え、急にどうしたんですか!?」

「もうすぐ隼人君の誕生日だから入りたいなって思って」

あと数十分で日付が変わる。
また抱きしめられたあと、お風呂沸かしてきますと言って隼人君が移動した。
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