年下男子は恋愛対象になりますか?
そのあとは一緒に店内を見てまわったけど、隼人君の表情からはどれが好きなのか読み取れなかった。

このお店のものでいいってことが分かったし、最初に計画していたサプライズよりは良かったのかも。

また来ますと告げ店を出る。
手は繋いできてくれたけど、隣を歩く隼人君はいつもより口数が少なめだった。

「ねぇ、私のこと見た人って友達?」

「このショピングモール内でバイトしてる大学の友達です。テーマパークで由夏さんに会って顔を覚えていたみたいです」

「そうなの?あの時と髪型や服の系統も違うのに、その友達はよく私だって分かったね。凄い」

「こないだもスタイルいいって言ってましたし、由夏さんがキレイだから印象に残ってたんじゃないですかね。スマホ確認させろってしつこく言われましたよ」

ふてくされ気味に隼人君が教えてくれたけど、不意打ちで言われた言葉にドキッとした。
何か言わなくちゃいけないのに言えない。

「由夏さん?え、何で赤くなってるんですか?」

「……だって、隼人君がキレイって言ってくれるの珍しいなって思って」

「すみません。ちょっと急ぎますね」

手を引っ張られて車まで戻ったと思ったら、誰も通らなくなったタイミングでキスされた。

「ま、待って!ここじゃ恥ずかしいからダメ」

2回目を拒否すると、私の左肩に顔をうずめてきた隼人君。

「いつも可愛いと思ってますし、いつもキレイだと思ってますよ。俺のこと好きなの伝わってるのに、変に疑ってしまってすみませんでした。もっと大人になれるよう頑張ります」

「ううん、私こそごめんね」

出入口から離れている場所に停めているとはいえ、車が目の前を通り過ぎた時ものすごく恥ずかしくなった。
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