年下男子は恋愛対象になりますか?
「あー、ごめーん。こんな酔っぱらいに乾かしてもらいたくなんかないよねぇ。うん」

ベッドはソファーの後ろ側にある。
数歩の距離を隼人君に支えてもらいながら移動して、仰向けに寝かせてもらったあと自分の両手で目を塞いだ。

いつもの習慣とお酒の影響って怖い。
驚かれなかったら、きっと普通に乾かしてあげてた。

今の私にそんな資格ないのに。
ベッドに寝るのもおこがましいよね。

「俺は嫌じゃない、ですよ。今は起き上がるのツラいでしょうからまた今度お願いします。水飲みます?さっき飲んでたのどこに置いたんでしたっけ」

隼人君は優しい。
話を聞いて下さいって言われるのかと思っていたらそんなことはなくて、あんなこと言った私を気遣ってくれてる。

酔っぱらってて冷静に話せないから、明日にしようと思ったのかな。

「水、近くに置いておきますね。俺のことは気にせず好きなだけ寝て下さい」

「ありがと」

少し経ってから遠くでドライヤーの音がした。
そのあと部屋の電気が少し暗くなる。昼白色から電球色。

眠いはずなのに眠れなくて横にある壁を眺めていると、後ろからプシュっと聞こえた。炭酸をあまり飲まない隼人君から聞こえるには珍しい音。

冷蔵庫に炭酸の缶ジュースなんて入っていなかったはず。となると、お酒なわけで。

今日買ったのはアルコール強めの酎ハイのみ。
お酒を飲むのは誕生日以降見たことがないし、あの時はシャンディガフで酔ってた。まずい。

「待っ……、うぅ」

勢いよく振り返ったからか、頭がグワンとした。そうだった。結構酔ってるんだった。

「えっ、由夏さんどうしました?大丈夫ですか?」

「みず」

横になっている状態から起き上がるのを手伝ってくれて、ペッドボトルを手渡してくれた。お酒飲むのを止めるつもりが、逆に心配されるなんて最悪。
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