年下男子は恋愛対象になりますか?
「迷惑かけちゃって本当にごめんね。でも、ありがと」

1台の車が出発するのを見送ったあと、隣にいる隼人君に話しかけた。

「役に立てたなら嬉しいです。さっき彼氏さんが言ってましたけど、後輩さんに何かあげたんですか?」

隼人君が視線を移した先は、持ってくれている大きなビニール袋。後輩の彼氏が迎えに来てくれた時、帰り際に渡されたもの。

「うん。前から欲しがっていたものをあげたの」

「そうなんですか。仲が良いんですね」

中にはビールや酎ハイなどのお酒が数缶と、コンビニスイーツ、チョコレート、グミも入っていた。

こんなに貰えないと断ったけど「プレゼントのこと聞きました」と言われ、話を広げられたくなかったこともあって、ありがたく受け取ったのだった。

「職場では1番仲が良いかな。そろそろ帰ろっか」

「すみません、その前に1ヵ所だけ寄ってもいいですか?」

「うん」

荷物を車の後部座席に乗せ、来た道を戻る。
コンビニかなと思っていたら、到着した場所はカラオケ店の隣にあるゲームセンターだった。顔を見てみても笑顔のまま。

「声をかけてきた奴がいたら教えて下さい」

「あれから時間経ってるし、さすがにいないと思うけど」

「はい。いたらでいいんです」

店内に入ってマフラーと手袋を外したら、隼人君も同じようにしていた。さりげなく繋がれた手。2人とも指輪はしていない。

ぐるっと1週してみても、さっきの子はいなかった。

「せっかく来たし少し遊んでいかない?アイスのクレーンゲームやってみたいなぁ、なんて」

「取れるといいですね」

「取れなかったら帰りに買う」

何回か挑戦しても取れないでいたら、隼人君が取ってくれた。近くの休憩スペースに座って、お高めのアイスクリームを開封する。

「夜中に食べるアイスって、何でこんなに美味しいんだろ。冬にあったかい場所で食べるのもいいよね」

「はは、また来ましょうね」

こうやって遊んでいると楽しい。
隼人君は友達に会いたかったみたいだけど、私は2人きりの方が落ち着く。
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