年下男子は恋愛対象になりますか?
駅近くのコインパーキングに戻って来た時には、深夜2時を過ぎていた。車内に響く暖房の音。

私に断ったあと、助手席でスマホをチェックしている隼人君。翔君から電話がかかってきていたらしい。

一瞬だけ険しくなった表情に気が付いてしまった。そのあと、慌てながらこっちを向いたけど。

「あの、本当に翔からです!」

そう言ってスマホを見せてきた。
薄暗いなか明るく光っている画面には、トークが表示されている。

「疑ってないからしまって。ね?」

私、今どんな顔してたんだろ。
気を付けなきゃ。スマホ見せてもらうのが当たり前になるのは嫌。

「それより、隼人君の友達にライブ行ってる子がいるなんて知らなかったな。ステッカー貼ってるなんて相当好きなんだよね?」

話題を変えたつもりだった。
それなのに、隼人君の表情がまた険しくなって。

「困らせるのは分かってるんですけど、連休中泊まってもらうことは出来ますか?由夏さんの嫌がることは絶対にしませんし、俺はソファーで寝ますから」

さっき見えた翔君からのメッセージが頭をよぎる。不在着信を知らせる受話器マークの下に、書かれていたこと。

"そんな奴いないだろ"

隼人君は"だよな"と返信していた。
嫌な予感しかしない。

「泊まりは無理ですよね。変なこと言ってすみませんでした」

「………………もしかしてなんだけど、隼人君の友達じゃないの?」

「仲が良い友達にライブ好きな奴いない、です。でも心配しないで下さい!翔が他の奴らに確認してくれるって言ってましたから!」

こういう時の予感って大体当たる。
そうだとしたら目的はきっと──

「あー、そうなんだ。私が勝手に勘違いしていただけで、ライブ会場で会ったことある子なのかも。今度確認してみるね。そろそろ帰ろっか」

もしそうだとしても、今は楽しく過ごさなきゃ。
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