年下男子は恋愛対象になりますか?
【9】複雑な心境
少し離れたこの場所からでも、ハッキリ見えてしまった。隼人君があの子とキスしているところを。

不意打ちでキスされたことも分かってる。その後すぐに、あの子を突き飛ばしたのも見てた。うん、隼人君は悪くない。頭の中では分かってるんだけど、ものすごくモヤモヤする。

「由夏さん、早く行きましょう!」

隣で見ていた理沙ちゃんが、私の手を引っ張って隼人君達の方へ向かおうと促した。眉間にシワを寄せていたので、怒っているようだった。

「待って、理沙ちゃん!申し訳ないんだけど、今日はもう帰ってもらえる…かな?」

「もちろんです!由夏さんが瑞穂に文句言い終わったら、すぐに連れて帰ります!」

「あー、私はいいや。ここで待ってる」

今、あの子に会いたくない。
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