年下男子は恋愛対象になりますか?
クリスマスプレゼントとして買ってくれたペアリング。隼人君はどうしてるのか気になっていたけど、テレビボードの引き出しにしまってあったんだ。

隼人君のを見たのは、一緒に買いに行った日以降初めてだった。

「分かった」

「ありがとうございます」

右手薬指にはめると、優しい声でお礼を言われた。指から私に移る視線。

「俺は由夏さん以外眼中にありませんから。出会った時からずっと大好きです」

ぎゅっと痛くはないぐらいの力で抱きしめられた。そしてまた、私の右手薬指をなぞっている。

無意識?それとも違う?

でも、このタイミングなら……
私だって身に付けたくないわけじゃないんだよ。

「私のは隼人君にはめてもらおうかな。実は今持ってるの。いい?」

「……もちろんです」

隼人君がどんな表情しているかは分からない。
少しの沈黙後に答えてくれた声は、震えているような気がした。

向き合う形になって視線がぶつかる。
いつになく目も赤いような。

こういう姿を見られるのを嫌がるのに、今は何も言われなかったし、逸らされなかった。

「水族館に行く前の日、夜中に私が洗面所で何かを隠したの覚えてる?あの時ね隼人君に貰った指輪をはめてたの。嫌な思いさせちゃってごめんね」

私の言葉にゆっくりと首を振る。

「持ってくれているとは思っていなかったので嬉しいです。それと謝らないで下さい」

「鞄の中に入ってるから取ってくるね」

立ち上がって部屋の隅へと移動した。
あの子の顔が浮かばないと言えば嘘になる。隼人君がモテるのは分かっていたこと。乗り越えなきゃ。

持ってきたケースは隼人君が開けてくれて、私の右手薬指にはめてくれた。

「由夏さんのことが大好きです。だから、不安になったりした時はすぐに話して下さい。お願いします」

「うん、努力する。隼人君も何かあったら話してね?」

少しは大人になれたかな。
そうだとしたら神様のおかげ。

「あの、キスしてもいいですか……?」

抱きしめてくれた前もそうだけど、私の顔を伺うように質問された。
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