年下男子は恋愛対象になりますか?
「あ、そっか。今度の週末は3連休だもんね。じゃあ、そのあとぐらいから?」

「はい。そんな感じ、です」

少し前から隼人君の歯切れが悪い。
きっと私がバイトある日は会えないって言ったせい。

「これからは前みたいに隼人君と会えると思う。仕事中は無理だけど、寂しくなったら指輪を見るようにする。だから何も心配しないで?」

「ありがとうございます!今月の土日はバイト入れてないので、どこかに遊び行きましょう」

「えっ、ちょっと待って。今月の土日全部バイト入れてないの!?」

屈託のない笑顔を浮かべていたのに、気まずそうな笑顔に変わった。

「……実は今のバイト辞めようかと思ってまして」

「…………もしかして私のせい?」

珍しく隼人君の目が泳いでいる。

「ごめん!私のせいで隼人君の生活が変わるのはダメだよ!お店にもう言っちゃった!?」

「まだ、ですけど……。そろそろフレンチトースト作りますね。由夏さんはゆっくりしていて下さい」

起き上がろうとした、隼人君の左腕を掴んで引き止める。この話を終わりにしたかったみたいだけど、そうはいかないんだから。

「今のお店に不満はないんだよね?だったら、辞めたらダメだよ?」

「でも、またアイツが来るかもしれませんし、由夏さんに嫌な思いさせたくないんです」

「気持ちは嬉しいけど、お店変わったとしてもあの子は来るんじゃないかな。だから辞めないで?ね?」

「……接客業じゃなくて、人と関わらないバイト探しています」

いやいやいや、ちょっと待って。

「辞める意思は強いってこと?」

「はい」

「……それだと責任感じるから、隼人君に会えなくなると思う」

あの男の子の話をしようと思っていたのに、それどころじゃなくなってしまった。
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