年下男子は恋愛対象になりますか?
私がこんな提案をするのもおかしいとは思う。
隼人君とあの子が話している姿を見て、悲しくなって気まずくなったのに。

でも、あの子じゃなくて、ゲームセンターで声をかけてきた男の子となら――

「いやいやいや、それもダメですからね!?確かに知らない奴ですけど、だからこそ絶対にダメです。そんなこと考えてるなら帰省することは出来ません」

「ダメだよ。成人式には参加するって約束したでしょ?」

「状況が変わりました」

しまった。言うタイミングを間違えた。
隼人君の成人式が終わってから言うべきだった。

「しばらくライブないし、探すとしても先のことになるから心配しないで?それと、さすがにその辺で会うことはないだろうし」

「……いや、こないだ会ったじゃないですか。翔にも探してもらってるんですけど、どうしても探したいって言うなら俺が一緒にいる時にして下さい」

「分かった。次のライブは隼人君も誘う。これでいい?」

「…………はい」

そう言ってくれたものの、納得いかない顔をしている。その次のライブも一緒に行こうって行ったら安心してくれるのかな。

でも。

あの男の子はスマホにバンドのステッカーを貼っていた。通販とかでも手に入るし、それだけじゃ本当にファンなのか分からない。

その状況で、隼人君の時間とお金を使ってもらうのは悪すぎるわけで。

「だから成人式には参加してね?朝ごはん食べたら買い物行きたいな。フルーツ飴作りたい」

「……分かりました」

隼人君はまだ浮かない顔をしていたけど、そのあと行ったショッピングモールで満面の笑顔になった。

「俺も同じもの買います!バイト中につけます!」

「じゃあ、お揃いにしよ。これは私が払うね」

食品売場に行く前に寄ったアクセサリー店。
そこでリングホルダーを探していた。指輪をネックレスみたいにして、仕事中でもつけたいと思ったのだった。

肌身離さず身につけていれば、不安になった時も大丈夫な気がしたから。
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