年下男子は恋愛対象になりますか?
「隼人は何で私を好きになってくれないの!?今までだって、私が良いなって思った人は必ず付き合ってくれてたのに……!」

自分に自信があるんだろうな。そうじゃなきゃ、こんなこと言えない。

「俺、松田みたいな子は苦手だから。だから、これからも好きになることは絶対にない。由夏さん、行きましょう」

握られていた右手に再び力が入り、隼人君が後ろを向いた。

「え。隼人君ごめん、ちょっと待って」

歩き出そうとしていた隼人君を慌てて呼び止める。このままでは歩けない事情があった。あの子に私の左腕を掴まれたのだった。

「お願いだから隼人をちょうだい!どうしても隼人が欲しいの」

その目にはうっすらと涙を浮かべている。
この子のそんな顔初めて見た。

「いい加減しろ!由夏さんから手を離せ」

「嫌っ」

本当に隼人君のこと好きなんだ。でも――

「隼人君は物じゃないよ。こんなやり方じゃ、好きになんてなってもらえないんじゃないかな」

次に大きな涙を浮かべたと思ったら、私を掴んでいた手を離してその場に座り込んだ。

「…………そんなこと、言われなくたって分かってるもん。どうしても隼人のことが諦めきれないの」

か細い声。
さっきよりも周りの人に注目されてる気がしたけど、今はそれどころじゃなかった。

「松田、もう何もしてこないでくれ」

「嫌っ」

「隼人君のこと本当に好きなんだね。でも、例え何かしてきたとしても簡単には別れないから。諦めきれないなら、こんなやり方じゃなくて正々堂々と頑張って。隼人君、行こう」

自然と出た言葉。
少し前の私だったら言えなかった言葉だと思う。
隼人君の態度と言葉がそうさせた。

振り向かずに、隼人君の手を引きながら東口を目指す。掴んでいた手は、隼人君が横に並んだと同時に恋人繋ぎとなっていた。
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