砂浜に描いたうたかたの夢
強がってみせたけど、お皿の上は赤い破片と黒い種が散らばってぐちゃぐちゃ。

無傷だったのは、手前に置いていた食べかけのスイカのみ。残りの2つはかじられてしまった。



「凪くん、ひいじいちゃんのを1個あげるよ」

「ありがとう。後でもらうね」



曾祖父に返事をし、お皿を持って台所へ。


こっちに来て約3週間。毎日散歩に行ってるのに、あの子だけは未だに接し方が分からない。

呼んでも来ない、近づいたら逃げる、触ろうとすると歯を剥き出しにして唸る。

こんなに拒絶されたら、大抵は嫌われてるんだなと思うだろう。


だけど、他の子を可愛がってると間に割り込んできたり、足元に体をくっつけてきたり……。

嫌ってるのか、仲良くしたいのか、心が読めない。

この調子で、明後日から上手くやっていけるか心配だな……。


お皿を片づけた後、駐車場に向かい、待ちくたびれて機嫌を損ねた彼らを宥めたのだった。
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