砂浜に描いたうたかたの夢
「隣町って……まさか私が送迎係やるの?」

「あら、バレた? でも香織にもお世話になったから特別にごちそうするわよ」

「そうこなくっちゃ。で、お店はどこにあるの?」

「ショッピングモールの近く。6月にオープンしたばかりの新しいお店よ」

「へぇ。それって、今朝入ってたチラシのお店のこと?」

「そう! 今月の新メニューでチキンステーキが登場したって書いてあったから、ピッタリだと思ってね」

「なるほど。じゃあおばあちゃんの面倒はお父さん達に任せるのね」

「いや、おばあちゃんも一緒に連れて行くわよ」

「ええっ⁉ 4人で行くの⁉」

「ええ。あんな男だらけの中で女1人は寂しいだろうから。今日で最後なんだし、思いっきり楽しみましょ! 題して、松川家の女子会!」

「いや、私もう松川じゃないんだけど……」



呆然とする私を置いて、どんどん話が展開されていく。


女子会やら、ひいおばあちゃんも連れて行くやら、気になるワードだらけ。

だけど、それよりも私がまず反応したのは……。
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