砂浜に描いたうたかたの夢
淡い思いを抱いた瞬間、どこからか誰かの叫ぶ声が聞こえてきた。
「一花ぁーっ! 戻ってこーい!」
「チキンステーキ食いに行くんだろー!」
連続で耳に届いた声に、ドキッと心臓が音を立てる。
──お父さんと、智だ。
ということは、もう、すぐそこまで……。
「……あとはここを道なりに進めば着くから。だから……」
「いやだっ!」
遮るように叫んで、腕にしがみつく力を強めた。
「まだ、お別れしたくない……っ」
込み上げた感情が溢れ出し、両頬を伝う。
わがままだなぁ私。今日は早く解散するつもりでいたのに。
またすぐ声が聞けるからと、大好きな人よりも大好物を優先させていたのに。
心の準備が完了していない間に、いきなりお別れの時間が来たからって……本当、親に似て自分勝手すぎる。
だけど──。
「チキンステーキじゃなくて、凪くんがいいっ……」
「一花ぁーっ! 戻ってこーい!」
「チキンステーキ食いに行くんだろー!」
連続で耳に届いた声に、ドキッと心臓が音を立てる。
──お父さんと、智だ。
ということは、もう、すぐそこまで……。
「……あとはここを道なりに進めば着くから。だから……」
「いやだっ!」
遮るように叫んで、腕にしがみつく力を強めた。
「まだ、お別れしたくない……っ」
込み上げた感情が溢れ出し、両頬を伝う。
わがままだなぁ私。今日は早く解散するつもりでいたのに。
またすぐ声が聞けるからと、大好きな人よりも大好物を優先させていたのに。
心の準備が完了していない間に、いきなりお別れの時間が来たからって……本当、親に似て自分勝手すぎる。
だけど──。
「チキンステーキじゃなくて、凪くんがいいっ……」