砂浜に描いたうたかたの夢
中に入ると分かった途端、一瞬にして軽い足取りに。これでもかというくらい口角を上げて横断歩道を渡った。

狭い路地を抜けて階段を駆け上がり、高台の上から海岸を見下ろす。



「わぁっ! 綺麗……っ!」



視界いっぱいに広がった光景に、昨夜と同じ感嘆の声を漏らした。

朝日に照らされた海面が、ほのかなオレンジ色に輝いている。

同じ海なのに、時間帯と天体が違うだけでこんなにも印象が変わるとは。
この美しさ、写真に残す以外の選択肢はないでしょう。


カメラアプリを起動させ、この位置から1枚撮影。次に、海岸に下りて1枚撮影。

他には、波打ち際や砂浜を撮ってみたり、はしゃぐジョニーを撮ってみたり。

画角と被写体を変えて、シャッターボタンを押しまくった。



「どうだった? いい写真は撮れたかな?」

「うん! バッチリ!」



海岸を後にして帰路に就く。

昨日は夜の海、今日は朝の海。早速絵日記のネタができた。帰ったらざっくり下描きしようっと。



「……あ、そうだ」
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