砂浜に描いたうたかたの夢
ジョニーと時々触れ合いつつ、道端に咲いている花や空を撮影しては、気づいたことをメモ帳アプリに書き込む。


嫉妬に狂ったあの日以来、SNSを開きたくなくて、極力スマホを使わず、一時期紙のメモ帳を使っていた。

だけど、やっぱりこっちが便利だったから結局戻ってきた。


とはいえ、使っているとつい気になってしまう。
なので、同級生達には悪いけど、通知はフウトさん以外全員オフ。

再開するのは、宿題が全部終わった後かな。まぁ、いいねを押すかは、投稿内容と私のメンタルによるけど。


住宅街を歩き回ること30分。

東の空から太陽が昇ってきて、出発時は薄暗かった空が徐々に明るくなっていく。

通りに出ると、ふわっとぬるい風が吹いた。


あぁ、この爽快感のある匂いは……。


ふと視線を下ろしたら、ジョニーも目を細めて鼻をひくひくさせている。



「もしかして、また海に?」

「あぁ。早朝の綺麗な海を眺めに行こうと思ってねぇ」

「本当⁉ やったー!」
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