彦星さまは会いたくてたまらない




「フッ」



「彦ちゃん
 何か笑えることあった?」



「俺、笑ってた?」



「うん。
 すっごく悲しそうにね」




そっか。

笑ったのか、俺。




七夕の夜

織姫に会えない絶望感で

俺のメンタルが

おかしくなってるんだろうな。





俺の願いは

織姫の笑顔が、見れるだけで良い?




何だよ、それ?

ただの綺麗ごとじゃん!




好きな女の幸せを願う

いい男を演じたいだけじゃん。




本心は違うだろうが!



俺の心の中で暴れまくっているのは


やけどするほど熱くて

べちゃべちゃでドロドロで


人に見せられないくらい

醜い感情だろうが!!



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