彦星さまは会いたくてたまらない



「思い出したよ。

 可愛い顔でエグい言葉を
 俺に突き刺してくる

 暑っ苦しいリークな」



「大正解!
 嬉しいよ、ほんと。

 ハンカチどうぞ。

 いやぁ~
 まさか魔王系の彦ちゃんが
 僕の前で泣く日が来るとはね」




うわっ、恥っず。



前世の記憶が衝撃過ぎて

滝のように流れてくる涙を隠すの

忘れてたわ。



俺はハンカチを奪い、目元を拭う。




「ねぇ彦ちゃん。

 明日は七夕だけど
 なにか願い事は書いたの?」



「書いてねぇよ」



「じゃあ、今から書けば。

 前世の記憶が戻って
 お願いしたいことが
 できたでしょ?」


< 112 / 199 >

この作品をシェア

pagetop