彦星さまは会いたくてたまらない
「思い出したよ。
可愛い顔でエグい言葉を
俺に突き刺してくる
暑っ苦しいリークな」
「大正解!
嬉しいよ、ほんと。
ハンカチどうぞ。
いやぁ~
まさか魔王系の彦ちゃんが
僕の前で泣く日が来るとはね」
うわっ、恥っず。
前世の記憶が衝撃過ぎて
滝のように流れてくる涙を隠すの
忘れてたわ。
俺はハンカチを奪い、目元を拭う。
「ねぇ彦ちゃん。
明日は七夕だけど
なにか願い事は書いたの?」
「書いてねぇよ」
「じゃあ、今から書けば。
前世の記憶が戻って
お願いしたいことが
できたでしょ?」