彦星さまは会いたくてたまらない


「もしかして凛空くん。

 お星さまより
 ゲームを取るつもりじゃないよね?」



「っ、…………えっ?」



「星が好きで宇宙が好きだって
 言ってたあの言葉
 嘘だったの?」



「ちっ…、違うよ」




凛空くん。


目が隠れるくらいの長い前髪を

振り乱して、焦ってる。



相変わらず、女子より可愛いな。




「そりゃ僕は、星が大好きだよ。

 今すぐにでもロケットで
 宇宙旅行したいくらいだからね。

 でも、このゲームは特別で……」



「へぇ~」



「今日のために
 バイトも死ぬ気で頑張ってきて……」



「ふ~ん」



「もう衣織ちゃん!

 僕がこのゲームを
 前から欲しがってたこと
 知ってるくせに!!」


< 36 / 199 >

この作品をシェア

pagetop