彦星さまは会いたくてたまらない
困り顔のウサギが
私をパシパシ叩いてきた。
なにこの
小動物系な可愛さをまとってる
生き物は。
そろそろ
笑いをこらえるは限界だぁ。
「アハハ、ごめんごめん」
「ごめんって言いながら
衣織ちゃん
大笑いしてるじゃん!」
「だって凛空くんが
困り顔のウサギに見えて
可愛かったんだもん」
「相変わらず
僕を女の子扱いする!」
凛空くんは白いほっぺに
空気を目いっぱい
詰め込んでいる。
でも、すぐに笑顔になって
「衣織ちゃんにいじられるのは
子供の頃から慣れっこだから
良いんだけどね。
その分僕も
倍にして仕返しちゃうから。
覚悟しておいてよ!!」
やんちゃ顔で
舌をペロリと出した。