彦星さまは会いたくてたまらない



私はテーブルの上に

カバンを置いた。



先生の真ん前に

座る勇気がなくて

対角線上の椅子に、腰を下ろす。





それにしても

見れば見るほど

彦星さまに似てるなぁ。



声だって、髪質だって

見える範囲のホクロの位置まで

同じなんだもん。



逆に

別人だって証明する方が

難しいくらいだよ。





「あの……」

私のこと、覚えていませんか?



なんて、ストレートな質問は

できそうもないな。



でも


彦星さまの大好きな低音ボイスを

堪能したいから

何か質問しなくちゃ。


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