彦星さまは会いたくてたまらない



「俺が姫野を苦しめてるって
 どういうことだよ?」



「なんで彦ちゃんは
 わかんないの?

 あんなに
 織姫が大好き大好き
 ぼやいてたでしょ!」



「俺が彦星で
 姫野が織姫でした!とか
 変な冗談を言わないよな?」



「その通りでしょ!!」




凛空は怒鳴りだした。



目を吊り上げて。

俺を睨みつけて。



「今すぐ思い出してよ!

 前世で僕に
 紹介しなかったくらい

 独占して溺愛してた女の子でしょ!
 衣織ちゃんは!」


凛空は

俺の首に巻かれたネクタイを

ブンブン振りながら

悔しそうに涙をこぼしている


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