彦星さまは会いたくてたまらない
「衣織ちゃんには
前世の記憶があるんだよ。
生まれ変わっても
大好きな人を探し続けてきたんだよ。
やっと再会できたのに
織姫を覚えてないって何?」
「離せよ、ネクタイ。
引っ張られて痛いから」
「見せびらかすように
結婚指輪なんかつけちゃって。
衣織ちゃん以外と結婚するって
ほんと信じられない」
「この指輪は……」
凛空は、俺の言い訳なんて
聞こうとしない。
機関銃のように
涙と怒りを、俺にぶつけてくる。
「前世であれだけ
溺愛してたでしょ!
織姫以外の女は
永遠に愛さないって
誓ったんでしょ!」
そんなこと
俺に言われてもさぁ……