あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
こんな風に優しくされたら、女性はちょっと誤解しちゃうかも知れないね。


もちろん、私には親しい友達として優しいんだけど。


理久先生には感謝しかない。


「あの、今日はマンションまで送ります。雪都君、おぶっていきますから」


「ううん、そんなの申し訳ないから」


「いいですよ、甘えて下さい。1人じゃ大変だし、それに何かあったらダメですから」


何か……って、いったいどんなことを想像してるんだろう、私はもう大人なのに。


真剣な顔をして年上の私を心配する理久先生が、ちょっと可愛く思えた。


「本当に大丈夫だよ。近くなんだから」


「何言ってるんですか。日も落ちてきてるし、彩葉先生も雪都君もすごく可愛いんですから、誰かに狙われたら大変です」


か、可愛い!?


真面目な顔で何を言うの?


って、あっ、そっか、それは雪都のことだよね。


一瞬、私まで「可愛い」って言われたのかって、勘違いしちゃった。


私なんか可愛いわけないのに恥ずかしい。
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