あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
「理久先生は大袈裟だよ。狙われたらって、こんな私なんかを狙う人なんていないから」


さすがにそこまでの妄想には笑ってしまった。


「そんなこと…わからないです。僕なら…」


「えっ?」


「あっ、いや、とにかく危ないですから送ります。一緒に帰りましょう」


あまりにも言ってくれるから、断るのも悪くて…


雪都もいるし、今日は理久先生に甘えることにした。


「うん、じゃあ、ごめんね。よろしくお願いします」


「はい、任せて下さい」


笑顔で首を縦に振る理久先生。


「ところで弥生はどうするんだろ」


「弥生先生、さっき誰かから電話がかかってました。盗み聞きするつもりはなかったけど、たまたま話してることが耳に入ってしまって。後で、お迎えに来てくれるらしいです…」


ちょっと困ったような顔をしてる理久先生を見て気づいた。


「まさか、お迎えって…」
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