あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
私は、前髪ありのロングの髪にゆるふわパーマ。


邪魔にならないように保育の時はいつも髪を縛ってるから、弥生みたいな可愛らしい髪型に憧れる。


でも、絶対似合わないってわかってるから、いつまで経っても挑戦できずに同じ髪型のままだ。


弥生とは、園では「先生」だけど、普段は名前で呼び合うくらい仲が良い。


一緒にいて安心できるし、頼りがいもある最高の友達。


「彩葉先生のゾウさんもいいけど、私のクマさんはどう?」


弥生が茶色の色画用紙をハサミでかたどった物を自慢気に見せる。


思わず私と理久先生は顔を見合わせた。


「い、いや……それ、僕は犬だと思ってました」


「ちょっと! それはないでしょ~? どうみてもこれはクマでしょうが、クマ」


声が大きくなった弥生に向かって、私は慌てて人差し指を自分の唇に当てた。


元気でしっかり者の弥生。


失敗したり、つらい時も、その明るい性格にみんなが救われる時が多々あって、園のムードメーカーとして園長始め、先輩方や後輩にも慕われている。


私も弥生にずいぶん助けられてきた。
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