雨上がり、また想いだせるように。


口から嘲笑が漏れる。


その時、



「君、大丈夫?」



一瞬、周りの時間が止まったかと思った。


私の身体を打つ雨が止み、頭上を見上げるとビニール傘がさされている。



「……大丈夫?」



後ろから男の人の声が聞こえる。でも、夢の中で会った男の人とは違う人。


あまりに私を心配している声色にどんな人か気になって後ろを振り返った。


シュッと、とがった鼻筋。色素の薄い黒い目。茶色 の髪の毛はミルクティーを連想させる。



「掴まって」



力強い手を私に向かって差し出す彼。


私はその手に掴まって立ち上がった。



「びしょ濡れだね。どうして泣いてたの?」



顔を覗き込んでくる彼。この人は本当に心配してくれているんだ。


私は何故か頼ってみたくなった。



「……ここはどこですか?」



寒さで凍える体、震える声で尋ねた。


彼は一瞬で悲しそうな笑顔になる。


そして信じられないことを告げた。



「ここは夢の世界だよ」 と。



一回で理解するには難しすぎる内容。いや、普通なら何度聞いても理解できないだろう。私も到底、理解出来なかった。


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