年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。




「恵理子さん!」

バイトの昼休み、私はかけられた声に振り返った。



「は、陽!
どうしてここに!?」

そこには、にこやかに微笑む陽がいた。



「そんなに驚くことないでしょ。」

「だって。」

「ママゾンの倉庫がどんな所か見てみたかったし、暇潰しにも良いと思って。」

陽は悪びれたような様子もなく、微笑んでいた。



「とにかくカフェに行きましょ。こっちよ。」

私は慌てて陽をカフェに引っ張って行った。
樹が来たら、ややこしいことになりそうだったから。
樹には、職場では付き合ってることを言わないように釘を刺してある。
だから、まさか、陽にバレることはないとは思うけど、樹には私に子供がいることを話してないし、今になって陽のことを話すのも勇気がいる。



「本当にびっくりしたわ。」

「まだそんなこと言ってる。」

私達は、向かい合わせに座り、お昼ご飯を食べていた。



「だって、あなた…」

「あ、樹トレーナー!」

陽が大きな声を出し、立ち上がって手を振った。



(え!?)



振り向くと、樹が私達の席に向かって歩いて来てた。



「恵理子さん、私達のこと、内緒だからね。」

陽が私に囁く。



「えっ!?」

私達のことって、親子だってこと?



そこへ樹がやって来たから、私はもはやパニックだった。

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