年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。




「恵理子さ~ん、ここ、ここ!」

カフェに入ると、大きな声をかけられた。
恥ずかしいから、私は小走りで席に向かった。



「久しぶりね、(はる)ちゃん。」

にこりと微笑む陽は、まるで薔薇の花みたい。
綺麗で華やかで誰もが魅了されてしまう。



「たったの3年ぶりじゃない。」

「それはそうだけど…とにかく元気そうで良かったわ。」

「恵理子さんも元気そうで…あれ?また少し太った?」

グサッ
言われたくないことを言われて、ちょっと落ち込む。
確かに、3年前からしたら少し太ってる。
よくわかるものだ。
さすがは、我が子。



そう、小日向陽は、私の娘。
私が19の時に産んだ子供だ。



高校を出てすぐ、レストランで働き始めた私は、倉田という男性と知り合った。
背が高く、イケメンで、華やかな雰囲気で、私にはとても似合わないタイプだったけど、私の家庭的な雰囲気が好きだとか言われて、知り合って僅か半年程で結婚。
そして、すぐに陽を授かり、19歳で出産。



だけど、長続きはしなかった。
彼は私にかいがいしく働く家庭的な奥さんを期待してたみたいなのだけど、こう見えて私は家事が苦手。
基本的にズボラだ。
子育ても、母によく助けてもらった。
そんな私が嫌だったのか、3年で呆気なく離婚。
陽は、私が引き取った。

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