年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。
シングルマザーといえば、ちょっとかっこいいけれど、子育ては、ほぼ両親に任せていた。
二人で実家に戻って住んで、家事から子育てから、ほとんど両親に任せっきりだった。
だから、陽は、私より両親に懐いていた。
寂しいことではあったけど、仕方のないことだ。



陽は、大学生から一人暮らしを始めた。
会社勤めをしていた24歳の時、ご縁があって結婚した。
だけど、何の因果か、陽も離婚した。
しかも、私と同じくたった3年で。
理由ははっきりとは教えてくれなかった。
言い難い理由があったのかもしれない。



「あなた、今、どこにいるの?」

「この近くのマンションだよ。」

「うちに来れば良かったのに。」

「そんなに広い家に住んでるの?」

「え…そんなことはないけど、一応、2DKだから大丈夫よ。」

陽はふふっと笑った。
笑いの意味はよくわからなかったけど、深く訊くのはやめておいた。



「ねぇ、恵理子さん、今、どんな仕事してるの?」

「え?あぁ、今、倉庫で働いてるのよ。」

「倉庫?」

「うん、ママゾンの倉庫。」

「へぇ~、ママゾンならなんか楽しそうだね。」

陽はお金には困ってないみたいなことを言っていた。
でも、一人になれば、働かないわけにもいかないだろう。
彼女はまだ若いし、頭も良いし、見た目も良いから、仕事なんてきっとすぐにみつかるはず。
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