絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜

「まさか……」
「うん……そのまさかなんだよね……」
「……それはまた大胆な」
「だよね……私もそう思う」
「で、松重さんの言う通り、気持ちは変わったの?」

 徳香は頬を赤く染めながら小さく頷く。

「じゃあそれを伝えないとね。松重さんは徳香からの返事を待ってるはずだから」
「でもさ……この間まで笹原さんが好きって言ってたのに、今は……信久が好きだなんて……そんなのっておかしくない? なんか自分の気持ちが……なんて言うか、ちょっと無責任な感じがして受け入れ難いんだよね」
「そうかな? 私はそうは思わないよ。きっと笹原さんより松重さんの方が良い男だったと気付いただけじゃない? 近くにいすぎてわからなかっただけだよ。それとも……かなりの床上手だったとか?」

 すると突然、徳香が両手で顔を隠してテーブルに突っ伏した。

「……あら、そんなに上手だったんだ?」
「……内緒」
「はいはい。じゃあそのことも松重さんに伝えてあげな。絶対に喜ぶから」
「……今からでも遅くないかな?」
「むしろ待ってると思うよ。そのために徳香を抱いたんでしょ?」

 雪乃の言葉に、徳香は少し勇気をもらえた。

 そうよ、壁を越えるために体を繋げたんだもの。じゃないとあの夜の意味がなくなってしまう。

 次のサークルには来るだろうか。その時にちゃんと気持ちを伝えよう。信久がいなくなるなんて耐えられないーーあなたが一番大切なんだっていうことを、きちんと信久に伝えたかった。
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