絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「ん? まだ何かあるの?」
「……もしかしたら信久って、隠れ肉食系なんじゃないかと思って」
「……何故そう思う?」
ポカンと口を開けた雪乃に対し、徳香は両手で頬を覆った。
「この間、恋人繋ぎをされた」
「……で?」
「えっ、恋人繋ぎだよ? あれをリハビリで出しちゃうんだよ? ってことは前に付き合ってた人と普通にしてたってことでしょ⁉︎」
「まぁ……そうなるのかな」
「でしょ⁉︎ 私なんかノーマル繋ぎしかしたことないんだよ。現在フリーの私にはハードルが高過ぎるよ……このまま行くと、信久によって知らない世界に誘われかねない……」
「あぁ、短大の時に付き合ってた彼ね。あの人は完全なる草食系男子だったからねぇ。それにしても松重さんがそんなに積極的なタイプだったとは……人は見かけによらないのねぇ。徳香をこんなに動揺させるなんて、罪なことをするじゃない」
「でしょ? なんかここ最近、ずっと信久に振り回されてる気がする……」
すると雪乃は小さく息を吐き、徳香の目をじっと見つめた。
「徳香は笹原さんが好きなんでしょ?」
「もちろん」
「それならどうして松重さんに振り回されなきゃいけないの?」
「えっ……それってどういう意味?」
「だから、松重さんのリハビリの相手をするより前に、笹原さんにアタックするべきじゃない? そうすれば自然とリハビリだって終わると思うよ」
「……成就する確率が低いのにアタックするの?」
「その確率はいつまで経っても変わらないと思うけど。むしろ減る一方じゃない?」
雪乃の言葉を聞いて、徳香は複雑な気持ちになった。フラれるとわかっていて告白をするなんて、そこまで鋼のメンタルは持ち合わせていない。