絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜

「派手ってなんだよ。超絶可愛いの間違いじゃないのか」
「はいはい。でもあんな子とマッツンが合うの?」
「だって趣味が同じだし」
「でもそんな子いっぱいいたじゃん。まぁみんな上手くいかなかったけど」
「徳香はちょっと違うんだよ。見た目と中身のギャップがハンパない」

 二人が爆笑するのを、信久はイラッとしながら聞いていた。

「で? どういうところが好きなわけ?」
「……まず可愛い。ああ見えて新体操が得意で、その時の色気が半端ない。甘え上手で頑張り屋さんで仕事に一生懸命。気遣いが出来る。あとは……」
「もういいって! ヤバっ、ベタ惚れじゃん! ヤッシー、聞いたか?」
「笑いが止まらない……あはは!」
「お前らな……」
「だって……マッツンの口から『甘え上手』とか『頑張り屋さん』なんて単語が出るなんて思わないじゃないか! ウケる!」

 信久は無言のまま枝豆を食べ続けている。だが視線は徳香を捉えたまま動こうとしない。しかし彼女がトイレに立ったのを見て、ようやくホッとして二人の方を向いた。

「告白はしないの?」

 優樹に聞かれ、信久はため息をついた。

「彼女、この間失恋したばっかりだからね。まだ早いかと思って」
「ふーん……」

 その時にトイレから出てきた徳香が飲み会の席には戻らず、信久の方へ歩いてくるのが見えた。

 信久の心臓が高鳴る。まさかこっちに来るのか? もしそうなら、絶対にあちらの席には返したくない。このまま彼女を独占したいと思った。
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