絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
◇ ◇ ◇ ◇

 同じ居酒屋だったのは、本当に偶然だった。店に入った時に、やけにうるさいグループが居るなぁと思っていたら、その中に徳香を見つけてしまった。

 それからずっとソワソワしながらその様子を見守っていた。だから徳香が男に言い寄られているのを見て、信久は慌てて立ち上がり、彼女の元に走ったのだ。

 牽制するように存在感を示してから元の席に戻ると、友人たちは必死に笑いを堪えている。

「あの子がマッツンが狙ってる子なの? 今の牽制の仕方……笑いが止まらない……あはは!」
「……別にいいだろ」
「それにしたって、やっぱりシゲちゃんの引きって強いよね。たまたま見つけた店にいるなんて。普通はないよ」
「そうなんだよ。俺って昔からラッキーボーイだからさ。感謝しろよ、マッツン」

 楽しそうに話す二人をよそに、信久はそれどころではなかった。

 徳香の飲み会に合わせて、幼稚園の頃からの幼馴染みの二人を誘った。二人とも今は彼女がいないこともあり、誘えば来てくれる。

「それにしても、今までマッツンが好きになった人とちょっとタイプが違うよな」

 自らを"ラッキーボーイ"と言った茂松(しげまつ)一成(いっせい)が、徳香を見ながら不思議そうに呟く。

「俺も思った。今までって結構清純派というか、落ち着いた感じの人が好きだったよね。あの子はなんていうか、見た目ちょっと派手だし、元気いっぱいって感じ」

 やや小柄で穏やかな口調の八代(やしろ)優樹(ゆうき)も一成の言葉に同調した。
< 91 / 133 >

この作品をシェア

pagetop