絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜

「長崎さん……女の人って、好きだった男はいつまで経っても、好きな男なんでしょうか?」
「なんか難しいこと言ってるね。でも私は逆だと思うよ」
「逆?」
「そう。確かにいつまでも忘れられない人はいると思うけど、それよりもっといい人が現れれば、結構簡単に上書きされていくんだよね。だけど男の人の方が、元カノを引きずる確率が高くない? ほら、よくいるじゃない。元カノとすぐに比べる人」

 杏自身にそれに似た経験があるのか、熱量と勢いが急激に増す。

「……よくわかりませんが、そうなんですか?」
「そうなの! だからね、俺の方が良い男だぞって気付かせないと」
「でもいろいろやっても反応なくて……彼女はきっと友達と恋人を分けて考えるタイプなのかもしれません」
「……なるほど。友達から恋人なんてあり得ないのか……。何かその壁を越えるきっかけがあるといいね……」

 その時杏が誰かに手を振った。相手が修司だとわかるのと同時に、徳香がこちらを見ていることに気付いた。しかし今の会話の流れから、思わず顔を逸らしてしまう。

 やってしまった……徳香はどう思ったかなーー後悔しつつも、顔を上げることは出来なかった。
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