お見合い婚にも初夜は必要ですか?【コミック追加エピソード】
玄関のドアが開く音がした。
高晴さんだ。今日はちょっと遅かったかな? ぱたぱたと玄関まで出迎えに行く。

「お帰りなさーい」
「ただいま」

あれ? 高晴さん、何かあったかな。表情が暗い。
名前を呼ぼうとすると、彼が私を見た。

「出向が決まったんだ」
「え?」
「宮城にある仙台支社研究所に」

出向……。高晴さんの職種は基本転勤はない。だけど、出向という形で地方支社の持つ研究施設に一時的に異動することがある。彼の上司もそんなふうに出向していたもの。

「期間は……?」
「まだ確定じゃないけれど、おそらく二年か、三年」

二年か、三年……。その言葉に私は表情も返す言葉も無くしてしまった。
高晴さんが出向。
私たちの生活はどうなるのだろう。

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