秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
 今回のことで、父親は立場的にまずい状況になっているかもしれないが、それも自業自得だろう。これも、ひたすら彼女を甘やかしてきた結果だ。

 これまで望めばなんでも手にしてきた梨香は、もしかして手に入らない大雅を前にどうしてよいのかわからなくなったのかもしれないと、その心境を想像する。
 それでも、同情する気はまったくない。

 大雅の取った行動は至極真っ当なものだ。それによって父にどんな影響が出ようと、梨香を抑えられない実家に問題があるのだから仕方がない。

「探偵でも使ったのか、俺のスケジュールを把握していたようだ。出張の予定ぐらいは、簡単に掴めただろう」

 ただ好意を寄せるだけでなく、そこまでの行動を起こすほどの大雅に対する梨香の執着が怖い。
 それは単に好きだという気持ちだからだけなのか、それとも意地になっているのか。たとえ双子と言えども、私には彼女の気持ちがまったくわからない。

「それで俺の京都行きを知って、あの場に来たようだ。昨日の日中にも絡まれて、その時点で警察に連絡を入れてある」

 大雅にとって梨香の行動は恐怖でしかなかっただろう。それなのに彼を疑ってしまったことが申し訳ない。

「なんとか振り切ったが、宿泊先も知られていたみたいで、翌日もホテルの外で待ち伏せていたようだ」

 真相を聞いて改めての梨香がSNSにあげていたコメントを思い起こすと、実際と一ミリもリンクしていないことが明確でひたすら不気味だ。
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