秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
「千香の仕事の都合は、大丈夫? 俺、けっこう強引に押しかけちゃったんだけど」
再会したその日のうちに、一つ屋根の下で過ごすとはかなり急展開だ。
でも、嫌だとは少しも感じていないし、食事に陽太のお世話に助けられてばかりだ。
「期限の近いものはないから平気」
「俺に合わせなくていいから、千香はこれまで通りの生活スタイルでいてよ」
「ありがとう。そうさせてもらうね」
決してぐいぐい迫らず、あくまで私を優先してくれるのもあの夜と変わらない。
こうやって一緒に過ごす時間を重ねて、心の底から彼の気持ちを信頼できると確信できたら、夫婦になる未来も悪くないのかもしれないとつい考えてしまう。
陽太が彼の子である以上、大雅から親権を主張される可能性だってあった。
弁護士をしているのだから、その知識を使っていくらでも私に言い募る方法を持っているのだろう。
でも彼は、それをしてこない。そこに甘え切ってしまうのは間違っているが、なによりも大切な陽太という存在ができた以上、どうしたって慎重になる。
それからしばらく、会わなかった間の話をした。
「――あの数日後には仕事を見つけて、ここに住みはじめたの。あとは見ての通り、仕事と育児の日々だったよ。翻訳の仕事はすごく楽しくて私に合っているし、陽太の成長を見届けるのも幸せだわ」
「俺はあれから、予定通り一年ちょっとで帰国したかな。帰ってすぐはいろいろと忙しくって、しばらくしてやっと千香の行方を追う時間が確保できたって感じだよ。千香の実家へは、半年前ぐらいに行った」
〝実家〟というキーワードに反応しそうになるが、大雅が絶対に守ると言ってくれたのが心強くて、昼間ほど動揺しなかった。
再会したその日のうちに、一つ屋根の下で過ごすとはかなり急展開だ。
でも、嫌だとは少しも感じていないし、食事に陽太のお世話に助けられてばかりだ。
「期限の近いものはないから平気」
「俺に合わせなくていいから、千香はこれまで通りの生活スタイルでいてよ」
「ありがとう。そうさせてもらうね」
決してぐいぐい迫らず、あくまで私を優先してくれるのもあの夜と変わらない。
こうやって一緒に過ごす時間を重ねて、心の底から彼の気持ちを信頼できると確信できたら、夫婦になる未来も悪くないのかもしれないとつい考えてしまう。
陽太が彼の子である以上、大雅から親権を主張される可能性だってあった。
弁護士をしているのだから、その知識を使っていくらでも私に言い募る方法を持っているのだろう。
でも彼は、それをしてこない。そこに甘え切ってしまうのは間違っているが、なによりも大切な陽太という存在ができた以上、どうしたって慎重になる。
それからしばらく、会わなかった間の話をした。
「――あの数日後には仕事を見つけて、ここに住みはじめたの。あとは見ての通り、仕事と育児の日々だったよ。翻訳の仕事はすごく楽しくて私に合っているし、陽太の成長を見届けるのも幸せだわ」
「俺はあれから、予定通り一年ちょっとで帰国したかな。帰ってすぐはいろいろと忙しくって、しばらくしてやっと千香の行方を追う時間が確保できたって感じだよ。千香の実家へは、半年前ぐらいに行った」
〝実家〟というキーワードに反応しそうになるが、大雅が絶対に守ると言ってくれたのが心強くて、昼間ほど動揺しなかった。