S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
その言葉に、一瞬時が止まった。
それでも、すぐに
「ごめんなさい。それは無理です」
と言っていた。
「俺が嫌いか」
「そうじゃないですが……」
私はぎゅっと自分の手を握る。
それから如月さんの方をまっすぐ見た。
「私は、如月さんのこと、先輩として好きだし尊敬しています。でも、ただそれだけです。男性として付き合うとか、そういうことは考えられません」
自分から発せられたのは、今までにないくらいキッパリした言葉だった。
私に揺れはなかった。迷いも何も。
(だって、こんな時まで、あの人のこと思い出してる……)
如月さんは少し驚いた顔をした後、
「ごめん、突然変なこと言って」
「いえ……」
「すぐに諦められないとは思うけど……でも、これからも変わらずいてくれないか」
「はい、もちろん」
如月さんが無理に笑って、それを見て私もなんとか笑い返した。