S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 要さんの意地悪がどんどんグレードアップしている。
 こんな要さんがいるなんて、知りたかったような、やっぱり知りたくなかったような……。

 私が悶々としていると、要さんは私の頬に張り付いた髪を退かしながら、

「急にステップアップさせて悪かったけど、少しは分かった?」
「なにがですか……」

「いろはの心も、それに身体も、俺を受け入れる準備ができないと、いろはが辛い思いをするってこと」

 思わず言葉に詰まる。
 その意味、今は少しは分かるから。

 結局、『最後』と言われるところまではしなかった。
 だけど、身体中ありとあらゆるところを見られ、触れられた。

 その中で、最後にどうするかということも教えてもらった。
 それを思い出して恥ずかしさに泣きたくなった時、要さんは私の額に口づける。

「それに俺はいろはにこういうことも含めて、好きになってほしいと思ってる」
「す、好きになるなんて……」

「俺はいろはとは、毎日でもこうしてしたいからな」
「まっ……⁉」

 たしかに、子どもを作るとき以外にもするってことは三堂さんからも学んだけど……。
 だけど、毎日なんて聞いてない。

 こんなに肉体的にも精神的にも疲れることを毎日すれば、間違いなく次の日の業務に支障が出る。
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