S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 それから支度をして、眠くはなかったので車で隣の市に出かけた。
 それは、昔一度来たことのある場所。

 駅前が再開発されたとは聞いていたが、昔来た時とは全く違う様相に、私ははしゃいでしまう。

「すごく綺麗になってる!」
「来たことあるんだ」
「再開発されるより前、高校生の時ですけどね」

 私はそう言って微笑むと、要さんをまっすぐ見た。
 要さんはあたりを見渡して、そっかぁ、と微笑んで言っている。

(……要さん、覚えてるわけないよね)

 じっと私が見ていると、

「どうした?」

と要さんが首を傾げる。

「いいえ。なんでも」

 私はそう言って首を横に振って微笑んだ。
 要さんは目を細めると、私に手を差し出す。

「少し歩こうか」
「ひゃっ……!」

 そのまま左手が握られて、私は変な声が出てしまった。
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