S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 私がそんなことを考えていると、如月さんは言う。

「あのさ、次の北海道の新人フォローアップ、一緒に来てくれないか。七瀬の勉強にもなると思うし」
「え?」
「正直、七瀬といると仕事がやりやすいんだ。こっちから部長に頼んでおく。OK出たらでいいから、どうかな?」

 新人のフォローアップは、基本的に本社研修で行うが、遠方などであまり本社に来る機会が少ない新人は、現地で様子を見ながら話や研修をすることもある。

 如月さんは昨年採用の担当だったので、その流れで採用した新人のフォローアップも行っているわけだ。私も来年は採用担当になる可能性が高く、今見ておけば勉強になるようのは確かだと思う。

 しかも、部長がOKを出すってことは、要さんとしてもOKってことだもんね。
 私はそう思うと微笑んだ。

「はい。ぜひ」

 私が言うと、如月さんは、

「あ、プライベートで下心があるから言ってるわけじゃないからな」
「分かってます。如月さんはそういう人じゃないですから」

 私はそう言うと、ぺこりとお辞儀をして、お手洗いに行ってから人事に戻ります、とその場を後にした。

「……告白までしたんだから、少しは警戒しろって」

と如月さんが呆れてるとも知らず。
< 159 / 283 >

この作品をシェア

pagetop