S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
 顔だって、身体だって、声だって、性格だって、仕事だって……どこも非の打ちようがない男性だ。

 私や浜辺さんみたいに要さんを好きになるのは、全然特別なことじゃなくて、普通のことなんだ……。

 そう思うと、何故か胸がズキンと痛む。
 そんなことを考えていた私に、浜辺さんはうっとりした表情で続ける。

「この会も、北条部長がポケットマネーを出してくださったんですよ。『七瀬さんと如月さんとみんなでおいしいものを食べておいで』って」

 私と、私の前に座っていた如月さんが浜辺さんの方を見つめる。

「「部長が?」」
「ご自身は仕事で遅くなるからいけないけど、せっかくの北海道だしって」
「そうですか……」

 それならそうと言っておいてくれたらよかったのに……。

 いつも何歩か先を読まれているようで悔しい。

 でもやけに要さんに会いたくなる。触れたくなる。
 何で今ここに要さんがいないんだろう。

 もしいたとしても、浜辺さんと話してるところを目の当たりにするのも、想像するだけでなんだか胸がキリキリと痛むけど。

(それでもやっぱり、会いたいなぁ)
< 162 / 283 >

この作品をシェア

pagetop