S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
それから札幌支社に行って、新人フォローアップ面談と研修を行い、それから、夜は東北・北海道地区の新入社員とその指導役の社員たちとで食事に行くことになった。
そしてお店に行って、乾杯し、食事を一口食べるなり、私は感動してしまった。
お刺身が驚くほどおいしい。父の会社の関係でパーティーや料亭でも洗練された食事は出るが、それとはまた全然違った素材本来のおいしさだ。
「おいしい! やっぱり北海道だからですか?」
「ここは、地元では有名な店なんです。最近は観光客も増えてきましたが」
そう言ったのは札幌支社の浜辺優香さんだ。
現在、新入社員の指導役をしてくれていて、美人で優しいと新入社員からも聞いている。
きっと三堂さんみたいな頼れる存在なんだろうと、私はつい三堂さんを思い出していた。
「へぇ」
「北条部長も、以前ここに来て、ここで食べてこの店が気に入ってました」
「北条部長も……」
「今回もせっかく北海道にいらっしゃってるのに、一緒に来れなくて残念です」
そう言って、浜辺さんは、ほうっと息を吐いた。
鈍感な私でもわかるくらい、その瞳は、まるで恋する乙女だ。
(そうか、そうだよね。要さんを好きになる女子社員なんて数えきれないくらいいるよね……)