S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
反対の男湯の方から、「あちっ」と声が聞こえて、それが如月さんの声であることに気づいて、思わず笑ってしまった。
「……七瀬? そっちも一人?」
竹垣の壁越しに如月さんの声が聞こえる。
そんなこと初めてで、私はなんだか不思議な感覚だと笑ってしまう。
「はい、一人です」
「風呂、気持ちいいな」
「はい、気持ちいいですね」
「でも熱すぎるな」
「それは如月さんだけです」
「まじか」
二人で笑い合って、それから、如月さんは言う。
「あのさ、風呂あがったら、一緒に少しだけ飲みなおさないか?」
「私、これ以上飲んだら明日帰れません」
私が笑って返すと、「そっか、そうだな」と如月さんは言う。
本当に今日はお酒を飲みすぎた。
飲むなら水が飲みたい……そんな気分だったから。