S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 お風呂から上がって、浴衣に着替える。
 あーぁ、やっぱり、要さんに会いたい。この姿も見せたかったなぁ。

 でも出張だもん。
 そんなわがまま言えないか……。

 そう思ってお風呂の脱衣所から出ると、ちょうど、如月さんと出くわした。大体同じ時間に露天風呂にいたのだから、出会うのは当たり前か。

「……お前、そのすっぴんに浴衣かわいすぎ。反則」
「何ですか?」

 私は如月さんが何を呟いたのかわからなくて顔を覗き込む。

 如月さんはお風呂のお湯が熱いと言ってただけあって、顔が赤いままだった。

「いや、心臓に悪い。もう寝る」
「へ? あ、お、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ!」

 如月さんはそう告げて走るように歩いていく。
 首を傾げて、私も歩き出した。

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