S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 そう思っていると、要さんは私の顎を持ち上げ、それから私の唇に自分のそれを重ねた。

「んっ……」

 ちゅ、ちゅ、と遊ぶみたいなキス。
 一瞬キスが止まったと思ったら、要さんはそのまま私を抱き上げソファに下ろすと、私の服に手をかけた。

「え、ちょ、ま、まって……もう、ここで? ご飯は?」
「かわいすぎて、身体の隅々までキスしたい。すまないな」
「そんなまた口先だけ謝って、っ……!」

 結局、また要さんの唇に、手に、翻弄される。
 そんな毎日を過ごすたび、要さんのことが好きになりすぎて、どうしていいのかわからなくなる。

 好きすぎるからこそ、この目の前の人がいなくなったらどうしようと、泣きたいほど不安に駆られる。

 ねぇ、要さん……
 最後までしたら、この不安はなくなるもの?

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