S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「自分自身を認めていただけるようにもっと頑張るだけです。それこそ、定年までかかっても」
思わずむすっとしてそう返すと、部長は、はは、と楽しそうに笑いだした。
それに、私は余計にむっとする。すると、部長は、すまない、と付け加えた。
「そんな顔しないで。大丈夫。あの段階で、知っていた人はいなかった。今はある程度のトップ層は知ってるけどね。どうも、キミのおじいさまから、こちらの採用人事に知らせないように強い箝口令が敷かれていたらしいから」
その言葉に、心底ほっとする。
と同時に、ある意味で祖父の手の内だったのか、と諦観の念まで出てくる。あの人に敵うわけはない。
「……そうですか。でも、よかった」
「面接のときも思ったが、キミは見た目以上に芯が強いらしい」
「見た目、関係ないですよね……」
思わずそう返すと、部長は微笑み、
「じゃ、そんな七瀬さんには、この仕事を任せてみようか」
と私に分厚い書類を手渡した。