S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
それから私たちはホテルの料亭の外にある庭園にでて、私は部長のあとをついて歩いていた。
さっきから部長、私に合わせてゆっくり歩いてくれてる。
私はお見合いの相手が、北条部長だと言うことをいまだに信じられずに、この目の前にある大きな背中を見つめて、口を開いた。
「庭園を散歩って……本当のお見合いみたいですね」
「見合いだろう」
「まぁ……」
これまで何度もお見合いをしてきたが、会社の上司とのお見合いは、言うまでもなく始めてで混乱していた。
(とりあえず謝って、そしていつも通りこのお見合いを終わらせよう。結婚なんてまだ早い)
そう決意して、私は「部長」というと、キッと部長を見た。
「部長、申し訳ありません。部長もこんな訳の分からないことに駆り出してしまって申し訳なかったです。どうお詫びしていいか」
「いや、むしろ、俺の祖父の方だろう」
「……部長もそうだと思いますが、私、まだ結婚する気はないんです」
私はそうはっきり言い、続けた。
「だから、部長からお断りされた、ということでこのお見合い、破談にしましょう」
(きっと部長なら……)