裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
悲しいたくさんの秘密
それから数日は、ビラも電話もなかった。


でも…


気持ちが休まる時はなく、毎日怯えてる自分がいた。


寛也さんには言えない、もちろん圭輔にも。


1人で抱える苦しさ。


初めて経験する胸が押しつぶされそうな不安。


病院では笑顔を無理に作って周りに心配かけないようにしたけど…


すごくキツかった。


家でも圭輔に悟られないように気を配っていたら、


『毎日仕事お疲れ様。疲れが溜まってるみたいだからゆっくりお風呂に浸かるといいよ』


『うん、ありがとう』


そんな優しい声掛けにまた心が苦しくなった。


『祥子。次の土曜日なんだけど、寛也がホテルのディナーに招待してくれたんだけど行くよな?』


『土曜日の夜…あ、うん』


ホテルのディナー?


寛也さんの招待って…


『紗弓さんも一緒に4人で。楽しみだよな』
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